目次
BlueStacksとは
BlueStacksはアメリカのnow.gg,Inc.が開発しているAndroidエミュレータ(以下、Androidエミュ)です。
BlueStacksはAndroidエミュの中でも特に知名度が高く、世界中で5億人以上のゲーマーに愛用されています。
BlueStacksはゲーマー向けに設計されているため、ゲームパフォーマンス、操作性(キーボード、マウス、ゲームパッド)が優れています。また、付加機能も豊富にあります。
BlueStacksはMSI、Intel、AMD、Qualcomm、Samsungおよび150を超えるゲーム開発者と提携しているため、信頼性も高いAndroidゲームプラットフォームです。
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BlueStacksの基本情報
- ウェブサイト:ホームページ、X(旧Twitter)
- 最新バージョン:5.21.510(2024/08/15)
- メーカー:now.gg,Inc.
- 開発国:アメリカ
- 対応OS:Windows,Mac
- Androidバージョン:Android11、Android9.0(64bit),Android7.0(32/64bit)
- 日本語:対応
- 価格:無料
- 広告:あり
主な機能対応一覧
機能 |
対応 |
コメント |
コントローラー |
〇 |
キーボード、マウス、ゲームパッドに対応 |
マルチインスタンス※1 |
〇 |
最大100個作成可能です。 |
同期操作※2 |
〇 |
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キーマッピング※3 |
〇 |
15種類あります。 |
マクロ(スクリプト)※4 |
〇 |
21種類のスクリプトコマンドがあります。 |
連射(連打) |
〇 |
スクリプト機能を利用します。 |
スクリーンショット |
〇 |
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録画 |
〇 |
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高画質化 |
× |
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翻訳 |
〇 |
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root権限※5 |
× |
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PCとのファイル共有 |
〇 |
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APKインストール※6 |
〇 |
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GPS位置指定 |
〇 |
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その他機能 |
- |
画面回転、シェイク |
- ※1 Androidを複数台同時に起動させる機能
- ※2 同じアプリを複数起動して、操作を同期させる機能
- ※3 画面操作をキーボード等で行えるようにする機能
- ※4 自動操作させる機能
- ※5 管理者権限を取得する機能
- ※6 Playストアにないアプリをインストールする機能
システム要件
項目 |
最小スペック |
推奨スペック |
OS(Windows) |
Windows7以降 |
Windows10以降 |
CPU |
IntelまたはAMD |
シングルスレッドベンチマークスコアが1000以上のIntelまたはAMDマルチコアプロセッサー |
GPU |
要件なし |
Intel/Nvidia/ATIのベンチマークスコアが750以上 |
メモリ |
4GB |
8GB以上 |
ベンチマーク
以下の各ベンチマークは2023年11月時点の各製品の最新版で計測したものです。計測に使用したPCの環境は以下の通りです。また、各Androidエミュ側の設定は極力同じにしています。各計測値は正確なものではありませんので、参考程度としてください。
なお、Androidエミュレータの概要と比較で他のAndroidエミュとのベンチマーク比較も行っていますので参考にしてください。
- OS:WIndows11
- CPU:AMD Ryzen 5 3500U(4コア/2.1GHz)
- GPU:AMD Radeon Vega 8(CPU内臓)
- メモリ:16GB
比較表 |
3DMark (SLING SHOT) |
Geekbench6 (CPU) |
Blue Stacks |
Overall:5796 Graphics:7407 Physics:3291 |
Single-Core:1011 Multi-Core:2374 |
(参考) Xperia Ace III |
Overall:3599 Graphics:3796 Physics:3046 |
Single-Core:701 Multi-Core:1809 |
(参考) Lenovo Tab M10 Plus (3rd Gen) |
Overall:2069 Graphics:1936 Physics:2726 |
Single-Core:415 Multi-Core:1300 |
※テストバージョン:BlueStacks 5.13 |
導入手順
BlueStacksの主要なバージョンにはVer.5とVer.10があります。Ver.10はVer.5の上位バージョンではなく、クラウド上でゲームを動作させることができる機能をもったバージョンですが、遊べるゲームは限られています。現時点ではVer.5の方が使いやすいため、以下ではVer.5の導入手順を説明していきます。
1.インストール
- 公式サイトのダウンロードURLより、BlueStacks 5の"Android 11 64-bit"をダウンロードします。
- ダウンロードしたファイルをクリックします。「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と出たら"はい"を押します。
- "今すぐインストール"を押します。
- しばらく、ダウンロードと環境設定が続きます。
- BlueStacksの起動画面が表示されたらインストール完了です。
- インストールが完了すると、デスクトップに「BlueStacks X」「BlueStacks 5」「BlueStacks Multi-Instance Manager」の3つのショートカットが作成されますが、通常は「BlueStacks 5」を使用します。複数台起動や別Androidバージョンにする場合等は「BlueStacks Multi-Instance Manager」を使用します。
2.環境設定
- BlueStacks起動画面右下の環境設定をクリックし、[ディスプレイ]>[画面解像度]で、"推奨解像度"に記載の解像度に変更し、"変更を保存"します。
- 同じく環境設定画面で、[詳細設定]>[プラットフォーム]>[Bluestacksにゲームプレイ中の広告表示を許可する]で、"Off"に変更し、"変更を保存"します。これでBlueStacks起動画面左の広告が表示されなくなります。
3.Google Playログイン
- 「システムアプリ」の中にある"Google Play"を選択します。
- [ログイン]をクリックします。
- メールアドレスを入力し、[次へ]をクリックします。
- パスワードを入力し、[次へ]をクリックします。
- バックアップは特に必要ないので[有効にしない]をクリックします。
- [同意する]をクリックします。
- デバイスの基本バックアップも特に必要ないため"Off"にして[同意する]をクリックします。
- 以上で完了です。あとは好きなアプリをインストールして遊ぶことができるようになります。
動作が重いとき等の設定
ゲームプレイ時に、動作が重い、カクつく、描画が乱れる、といった問題が出たときは以下の設定見直しや操作を行うことで改善する可能性があります。
[環境設定]>[パフォーマンス]の設定
- [CPUの割り当て](初期値:高(4コア))
- コアに余裕がある場合はコア数を増やしてみてください。ゲームに割り当てるリソースが増えます。ただし、全コアを割り当てないようにしてください。
- [メモリの割り当て](初期値:改良済み(4GB))
- メモリに余裕がある場合は割当量を増やしてみてください。メモリ不足によるパフォーマンス低下が改善する可能性があります。
- [パフォーマンスモード](初期値:高パフォーマンス)
- 低メモリにすると、リソースの使用量が高いアプリのメモリ使用量を最低限に抑えることができます。
- [フレームレート](初期値:60)
- フレームレートを下げるとCPU/GPUの負荷が低くなります。効果はかなり高いですが、低くしすぎると描画の滑らかさが失われます。
[環境設定]>[ディスプレイ]の設定
- [画面解像度](初期値:1600x900)
- 解像度を低くするとCPU/GPUの負荷が低くなります。低減効果は高いですが、解像度を低くしすぎると表示が粗くなります。
- [画素密度](初期値:240 DPI(中))
- 変更しても改善にあまり影響はありません。
[環境設定]>[グラフィック]の設定
- [グラフィックレンダラー](初期値:OpenGL)
- 変更しても改善にあまり影響はありません。なお、ゲームによってパフォーマンスが変わる場合、当該ゲーム起動時にグラフィック設定の変更を求めるポップアップが表示されます。
- [インターフェイスレンダラー](初期値:自動)
- 一部ゲームにおいて、画面の乱れやFPS低下が発生した場合に変更することで改善する場合があります。
- [ASTCテクスチャ(ベータ)](初期値:ソフトウェア・デコーディング)
- これは"ソフトウェア・デコーディング"のままで問題ありません。ちなみに、ASTCとはテクスチャを圧縮する技術で、描画を高速化することができるものです。
- [専用のGPUを使用する](初期値:On)
- これは"On"のままで問題ありません。
メモリ解放
画面右の「メモリ解放」をクリックするとメモリが解放されます。パフォーマンスやラグの問題が解消される可能性があります。
機能:キーマッピング
キーマッピングとは、スマホでプレイ時に良くタップする場所(例えば、攻撃ボタンやメニューボタン)にキーを割り当てることで、そのキーを押すことでタップできる機能です。割り当てはキーボード、ゲームパッド、マウスに行うことができます。また、タップ以外にもスワイプや画面回転など14種類のキーマッピング機能があります。
ここでは最もシンプルな、指定した箇所をタップするときのキーマッピング手順を説明します。
- ゲームを起動し、キーを割り当てたい画面(ゲームのホーム画面やフィールド画面)を表示します。
- BlueStacksの右メニューから[キーマッピング]を選択し、"キーマッピングエディター"を選びます。
- "タップスポット"をゲーム画面内の良くタップする位置にドラッグ&ドロップします。
- 割り当てキーの入力状態になるので、割り当てたいキー(キーボード/ゲームパッド/マウス)を押します。なお、画面上段で[キーボードとマウス]か[ゲームパッド]かを切り替えられます。
- 保存ボタンを押し、右上の×をクリックしてキーマッピングエディターを閉じます。
- これで、割り当てたキーを押すと指定した箇所がタップされます。
その他のキーマッピング項目の設定や詳細設定はBlueStacks公式のURLが参考になります。
機能:スクリプト
スクリプト(マクロ)とは、一連の操作を自動的に行ってくれる機能です。例えば、周回プレイをする、フィールドで毎回所定の位置に移動する、リセマラの操作を行う等を自動的に行ってくれます。
※ゲームによっては、スクリプト利用は不正行為とみなされる場合もあるため、利用には注意してください。
ここでは最もシンプルな、指定個所をタップするスクリプト作成手順を説明します。
- ゲームを起動し、BlueStacksの右メニューから[キーマッピング]を選択し、"キーマッピングエディター"を選びます。
- "スクリプト"をゲーム画面内の適当な場所にドラッグ&ドロップします。
- 割り当てキーの入力状態になるので、割り当てたいキー(キーボード/ゲームパッド/マウス)を押します。なお、画面上段で[キーボードとマウス]か[ゲームパッド]かを切り替えられます。
- 右のスクリプト入力欄でスクリプトを入力します。最も簡単なスクリプトの例を書くと以下のようになります。以下はx軸50、y軸50の座標をクリックするというスクリプトです。座標はゲーム画面内を右クリックするとスクリプト入力欄に記入されます。
1行目:mouseDown 50 50
2行目:mouseUp
スクリプトコマンドは他にも多数あり、公式サイトで確認できます。
- スクリプトの入力が終わったら完了ボタンを押します。これで、割り当てたキーを押すと座標(50,50)がタップされます。
機能:マルチインスタンス/Androidバージョン変更
「BlueStacks Multi-Instance Manager」を使うことで、マルチインスタンス(複数台起動)やAndroidバージョンを変更することができます。
マルチインスタンスは、Androidを複数台起動させることができる機能で、①同じゲームを並行して進める(リセマラやパーティープレイに便利)、②開発系ゲームでの収穫や建築完了までの待ち時間に別のゲームを進める、③操作の少ないゲーム(放置系等)を並行して進める、等ができる便利な機能です。
Androidバージョンは、通常は製品ごとに最適なものがデフォルトで動作するようになっていますが、変更することもできます。変更する最大のメリットは、存在するはずのアプリ/ゲームをPlayストアで検索してもヒットしないため、インストールできない問題を解決できるという点です。この問題は当該アプリ/ゲームがサポートするAndroidバージョンではないことによって起きるためです。
以下では、「BlueStacks Multi-Instance Manager」の基本的な使い方を説明していきます。
- デスクトップのショートカット「BlueStacks Multi-Instance Manager」をクリックします。もし削除している場合は、BlueStacksインストールフォルダの「HD-MultiInstanceManager.exe」をクリックします。
- 一番上に表示されているのが「BlueStacks 5」ショートカットをクリックしたときに起動されるAndroidです。BlueStacksではAndroid11がデフォルトで使われています。
- ここで、もう1台Androidを増やす場合は、左下の[インスタンス]>[新規インスタンス]をクリックします。この時にAndroidバージョンを選択することができます。「Nougat」はAndroid7.0、「Pie」はAndroid9を表しています。
- Androidバージョンを指定して"次へ"をクリックすると新規端末(インスタンス)に割り当てるリソースを指定する画面が表示されます。単独で起動する場合は規定値で問題ありませんが、複数台起動する場合はそれぞれの値を低くしないとリソース不足により不安定になる場合があります。
- "ダウンロード"クリックすると指定したAndroidバージョンがダウンロードされます。
- ダウンロードが完了したら"開始"ボタンを押すことで単体で起動されます。他のAndroidの"開始"ボタンを押すと、そちらも起動され複数台起動となります。
機能:翻訳
外国語を日本語に翻訳することができます。日本語未対応のゲームをプレイするときに役立ちます。残念ながら自動翻訳ではありません。
翻訳手順を説明します。
- ゲームを起動し、翻訳したい画面が表示されたら"Ctrl+Shift+L"を押します。
- 翻訳画面が表示されます。
- 内容を確認したら×ボタンで閉じ、ゲーム画面に戻ります。